明るさにリズムをつけ適度な照明計画を
目の仕組みを知ろう
前回、照度と明るさ感は一致しないというお話をしました。今回は図などで確認していただきます。まず、ヒトが明るさを判断する最初の入力装置である「目」の仕組みを説明します。虹彩という部分がカメラで言う絞りの役割をしていて、入ってくる光の量を常に最適な状態にして網膜に取り込みます。いわゆる、瞳孔が開く・閉じるという現象です。
明るいところを見ると瞳孔が閉じて、暗いところを見れば瞳孔が開く。しかも目を守るために明るい方への順応と暗い方への順応のスピードが違うのです。急に明るい光が目に入ると瞬時に瞳孔が閉じますが、暗いところを見た場合、ゆっくりと瞳孔が開きます。言い換えれば明るさにはすぐに順応することができますが暗さには時間がかかるということです。
このことを考慮した一番身近な照明設計が高速道路のトンネル照明です。図の通りトンネルの照明設計は通常は、入口と出口付近を明るくし、中央部分は暗くなるように設計しています。これで、事故を軽減させています。急に暗いトンネルに入ると前が見えないため危険なのです。
実は、正しい美術館の照明設計も...。
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こちらの記事は当協会副会長 山中先生の「これからの住宅ライティング多様化するライフスタイルへの対応」の一部となります。照明を学んでいる方々へ向けての記事となります。