「明るさ感」考慮し照明設計は壁面重視
「明るさ感」考慮し照明設計は壁面重視
「目が見える」とは、詳しく説明すると、光が何かにあたりその物体が光る。それが画像となりレンズ(水晶体)でピントを合わせ、網膜(スクリーン)に映し出す。その情報を脳に送り認識する。この一連の流れが、「見える」ということです。
違う言い方をすれば、光るものは見えるけれど光らないものは見えない、ということです。光れば光るほどよく見え、光らなければ目に入らない。見せたいものは光らせて、見せたくないものは光らせない、ですね。プロジェクターにとても仕組みが似ています。
さらに人は移動する際、常に前を見ています。ドアを開けて部屋に入った時もまっすぐ前を見ています。その時、どこを見ているのか――実は、人は常に壁を見ているのです。その壁が暗いと部屋が暗く思え、逆に壁が明るいと部屋が明るく感じます。床やテーブルといった水平面は視野に占める割合がとても少ないのです。
言い換えれば、情報量が床と壁では全く違う訳です。壁が明るい→部屋が明るい。壁が暗い→部屋が暗い。一度皆さんの自宅をチェックしてみてください。暗いエリアは壁に光が十分に当たっていないのではないでしょうか。
立面やパースで計画
国内の照明設計のほとんどの場合、天井伏せ図や平面レイアウト図に照明設計を落とし込みます。壁面を重視していない証拠です。床に光を当てても明るさを感じないのに、床を均一に明るくしようとする・・・全くの間違いですね。まず照明は...。
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こちらの記事は当協会副会長 山中先生の「これからの住宅ライティング多様化するライフスタイルへの対応」の一部となります。照明を学んでいる方々へ向けての記事となります。