光と色彩と視覚の特性を理解する
まず、ヒトが形を識別するには光が必要で、少しでも光があれば大まかに大きさや、形状が認識できます。
ただし、色や質感に関しては「ある一定の明るさ」がないと識別できません。
更に色に関しては、光その物の色や、光の持つ「演色性」により見え方が大きく変化します。
住宅空間ではLED化が進み、演色性も高くなりましたので色ずれや不快感が少なくなりましたが、駅や公共空間では未だに蛍光灯が多く使われていたり、演色性の低いLEDランプに交換されていたり、白色と電球色の使われ方が間違っていたりと、まだまだ照明に対する認識が低いです。
更に話を難しくするのが、光の色とは別に、光源から出る光には「演色性(えんしょくせい)」というものが有ります。
これは、ある色に人工光源(ランプ)を照射して見たとき、その光源で見ている色が、基準光の下で見たときよりどれだけ違った色に見えているかを示す数値です。
単位は(Ra)平均演色評価数と呼びます。この数値が高いと、全ての色は正しく見えるわけです。
先日、都内の私鉄でLEDランプに交換されている車両に乗り合わせたのですが、演色性が70%以下、色温度も高く6500K程度で、乗った瞬間に気分が悪くなるほどの違和感を感じました。
特に人の顔色が異様にズレて見えたため、乗客全員が疲れ切った血の気のない顔色に見えて驚いたことがあります。
周りの方々も周りやランプをキョロキョロと見まわしていました。
ランプの銘板を見れば、照明のことを詳しく知らない企業が作ったランプでしたので、こんな事になってしまったのでしょうか。
残像補色とインテリアへの応用
あと、普段生活していて気にかけてはいないのですが、実はインテリアに大きく影響を与える色彩に対する視覚特性があります。
これを「残像補色(ざんぞうほしょく)」と呼びます。
ある色を網膜が捉えて、次の色に目を移したときに、色覚という神経細胞がその色の補色を網膜に残す現象があります。
例えば、赤い色を見たすぐ後に、他の色を見ると、前に見た赤色の補色である「青緑色」が数秒間、見ている色にかぶって見えています。
普段は気付きませんが、一度読者の方も白い壁に赤い色紙やパネル(何でも良いのですが)を置いてみて、視点を動かさずにサッとどかしてみれば残像が鮮やかに残ります。その時の色が補色と呼ばれる色です。
海外の壁装材に色や柄が多く使われているのは、この現象を取り入れているケースが多いですね。
例えば、ダイニングルームの壁紙...。
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こちらの記事は当協会副会長 山中先生の「これからの住宅ライティング多様化するライフスタイルへの対応」の一部となります。照明を学んでいる方々へ向けての記事となります